赤ちゃんの母乳育児とミルク育児で風邪などの免疫に差があるのは本当か?

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粉ミルクで赤ちゃんを育てると病気になりやすいと不安になっていませんか。

  • 母乳育児じゃないと赤ちゃんが病気になりやすいと聞いて不安
  • 母乳が上手く出てくれないのでミルク育児にしていることに罪悪感を感じる
  • 仕事の都合で母乳育児ができないけど、免疫力がつかないって本当?

母乳育児が完全にできないと何かコンプレックスのようなものを感じてしまいます。
決して手を抜いているわけじゃなくても、世間のイメージが悪いですよね。
それに病気にかかりやすい、免疫力がないと赤ちゃんのことも不安になります。

なぜ、母乳育児とくらべて病気になりやすいと感じるのか。
それは
母乳に含まれる免疫物質が粉ミルクにはないと思っているから

ということで、
「粉ミルクの育児は本当に病気になりやすいのかどうか」を調べてみました。

そこから導かれる答えは
粉ミルクと母乳育児に差はあるけど心配無用」です。

この記事では、なぜ粉ミルクでも病気になりにくいとハッキリいえるのか。
それを過去データを見ながら順にお話していきます。

粉ミルクで育てることに負い目を感じることなく自信をもって育てられます

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免疫物質に関するウソとホント

母乳は免疫物質が含まれていて、粉ミルクには母乳のような免疫物質がないから
病気になりやすいと思いこんでいませんか。

実際のところ、この情報は間違いです。
母乳にも粉ミルクにも免疫はそれぞれ違う形で存在しています。

母乳に含まれる免疫物質

母乳の中には特有の免疫物質として、グロブリン A (SlgA) や白血球、
サイトカインなどが含まれています。

こうした免疫物質は新生児の消化管を細菌・ウイルス感染から
守る働きを有しています。

ですので、ある程度までは細菌やウイルスの感染、
アレルギーを防ぐことができる
のです。

粉ミルクにも免疫構造がある

一方で粉ミルクには免疫グロブリンや白血球は入っていませんが、
脂肪酸、オリゴ糖、ラクトフェリン、ムチン、リゾチームといった
免疫系を助ける物質が含まれています。

抗炎症作用と免疫調節機能があるビタミン A, C, E, K が含まれています。
現在の技術で可能な限り母乳に近づけているわけですね。

なので、粉ミルクだからといって免疫がないわけではありません。

母乳と粉ミルクを比べると

アレルギーや尿路感染症、中耳炎、胃腸炎、髄膜炎、気道感染症、敗血症などの
疾患にかかるリスクが 1.5 〜 3.8 倍ほど粉ミルクのほうが高くなります。

母乳による感染予防効果は衛生・栄養状態の良好でない発展途上国では絶大です。
しかし、先進国の中産階級ですら 3 倍も入院のリスクが下がるというこです。

また、母乳で育てられた子供は母乳育児中だけでなく、
大人へ成長してからも 1.2 型糖尿病の発症が少ないです。

他にリンパ腫やホジキン病の発症リスクが低かったり、
気管支喘息の発症が少なかったり、
高脂血症や過体重になりにくいなどの研究結果があります。

Breastfeeding and the Use of Human Milk (英語サイト)

つまり、母乳をあげると赤ちゃんが病気になりにくいのは本当です。
ですから、母乳育児が可能なママは心置きなく授乳してくださいね。

ここまでを見ると母乳育児神話がささやかれるのは何となく想像いただけるはずです。
でも、感染症予防の手段は何も母乳育児だけではありません。

乳幼児の死亡率から見る母乳神話の信憑性

現在、日本全体の乳幼児死亡率は大変低くなっています。
2011 年の乳児死亡率は 1000 人中 2.3 人です。
確率にして 0.23 %ですね。

日本で最初に粉ミルクが発売されたのが 1917 年です。
ということはそれ以前の子供は基本的に
完全母乳育児だけが行われていたと想定できますよね。

粉ミルク発売の前年、1916 年の乳児死亡率は 1000 人中 170.3 人です。
確率にして 17.03 %ですよ。

もし母乳だけで感染症や病気を防ぐことができるなら、
昔に比べて今のほうが赤ちゃんの死亡率が下がっているのは
おかしいとは思いませんか。

残念ながら 1000 人に対してどの程度の人が病気にかかるかの
統計(罹患率)がないので、病気になる確率を直接比べることはできません。

しかし、およそ 100 年以上前の方が今より病気が少なかったとは
考えにくいと思います。

ということは、母乳の他にも赤ちゃんの感染症を防ぐ手段が
衛生・栄養面ともに十分で医療事情がよりよくなった現在の日本で
粉ミルクを与えることが病気や死亡に直接繋がるわけではないのです。

母乳育児神話の煽り方が異常

母乳育児をしたほうが良いというのは誰でも理解できるので
母乳をあげても支障がない方はどんどんあげてくださいね。

しかし、実際の現実問題としてママと子供には環境や条件が個々にありますよね。
当然完全に離乳するまでの期間を母乳のみで育てるのは難しいこともあります。

粉ミルクを足したり、粉ミルクだけの完全ミルク育児をしたりすると
お子さんが病気になってしまうと考えるのは早計です。

ましてや母親失格と思うことなんてとんでもありません。

混合や粉ミルクのみで育てていく方はあまり心配しすぎる必要なんてありません。
感染症予防の手段は母乳だけじゃないので、自信を持ってミルク育児をしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

世間で言われているほど粉ミルクの育児をしたからといって
赤ちゃんの安全性に関して大差はないことをお伝えしました。

母乳育児神話があまりにインターネットを中心に広がりすぎているため
今回のような粉ミルクだと病気になりやすいと思い込んでしまう話になります。

しかし、データや研究結果を見る限り粉ミルクが世間のイメージほど
悪いものでないことは明白です。

なぜ、こういった母乳神話が生まれることになったのか。

それは
ブログやキュレーションメディアが間違った情報を掲載していることが発端です。

その点やはり大手のメディア情報はしっかりとした根拠やデータを見た上で
母乳や粉ミルクに関する情報を掲載しています。

情報が溢れかえっている中から本当に正しいものを手に入れるところから
いきなり疑ってかからないといけないのがインターネットです。
むやみに書かれていることを鵜呑みにしないようにしてくださいね。

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