離乳食の軟飯の作り方:3倍/5倍/7倍/10倍/全粥を極める

離乳食

離乳食の軟飯
離乳食も3回食が定着してくる頃に軟飯を作る必要が出てきます。
ただ、はじめて軟飯を作る方にとっては「軟飯をどうやって作ればいいのかわからない」という悩みも多いのではないでしょうか。

とりあえずやってみようと思っても正しい作り方がわからないとはじめられません。
それにおいしく作れず赤ちゃんが食べてくれないと意味がありません。

ここでは離乳食の軟飯をおいしく作る方法とその手段をお伝えしています。
具体的には使うべき調理器具とお米と水の分量、炊く時間まで細かく学んでいただきます。

  1. 軟飯を作る3つの手段
  2. おいしく軟飯を作る方法

これらを知って作ることができれば、赤ちゃんも喜んでバクバク食べてくれます。
これで味や食感がイマイチで離乳食を食べない悩みからも解放されます。

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軟飯を作る3つの手段

軟飯を作るときは調理道具が必要です。
その中で使える道具は次の3つです。

  1. 炊飯器
  2. 電子レンジ

どれを使っても作れます。
一度に作る量や精米、炊飯済みのご飯から作るかどうかで使い分けるのが良いです。

軟飯の作り方:鍋

鍋は一度に大量に作って冷凍保存したいときに適した作り方です。
欠点は時間と火加減の手間がかかること。
そのぶん、一番美味しい軟飯ができあがります。

精米から軟飯の作り方 (鍋)

精米に30分以上吸水させる

米1:水2〜2.5 で鍋に水を張る

フタをして強火にかける

沸騰後、弱火に変える

炊き上がったら15分ほど蒸らす

精米を炊きながら軟飯に仕上げるための水分比率は「米1:水2〜2.5」です。

普通に鍋でお米を炊く時の水分比率は「米1:水1.2」です。
それに比べると約2倍程度の水分量を使って柔らかく仕上げる必要があります。
水分量以外は普通に炊いて、少し蒸らせば十分柔らかい軟飯になります。

火加減はフタをした状態で沸騰するまで強火→沸騰したら弱火で約1時間半です。
吹きこぼれを避けるには弱火の途中で少しフタをズラして空気を送ると防げます。
最後に蒸らすときは完全にフタを閉めておきましょう。

炊き上がったご飯からの軟飯の作り方 (鍋)

既に鍋や炊飯器で炊き上げたご飯から軟飯を作る水分比率は「米1:水0.5〜1」です。

100g のご飯を軟飯にしたいときは 50g 〜 100g の水を鍋にいれます。
水の量に幅があるのは柔らかさの調整分です。
何回か試しながらお子さんが好む固さに調節してあげてください。

作り方は鍋にご飯と水を入れフタをして強火で加熱して沸騰させます。
水が沸騰したら強火→弱火にします。

弱火にしたら少しだけフタをずらし隙間をあけておくと美味しくキレイにできます。
弱火のままで約5〜10分程度加熱し続け、時間経過後に火を止めます。
弱火の間も鍋の中は沸騰していますので、徐々にご飯が柔らかくなっていきます。

火を止めたあとは完全にフタを閉め、10分蒸らして少しだけ水分を飛ばすと完成です。

軟飯の作り方:炊飯器

炊飯器でも当然軟飯を作ることができます。
鍋よりも手軽にできるので、たくさん作って冷凍しておくと便利です。

精米から軟飯の作り方 (炊飯器)

精米を洗う

炊飯器のメモリを参考に水を張る

通常モードで炊飯ボタンを押す

お米と水の比率は炊飯器の場合「お米1:水2〜3」です。
吸水分を考慮して鍋より多めの水分量で調節をします。
1合の軟飯を作るなら2〜3合分のメモリまで水を入れて炊くだけです。

最終的に通常のお米の炊き方である「米1:水1.2」を目指すことになります。
お子さんの食べられる固さの水分量に調整して毎回作りながら探っていきます。

炊飯器は鍋と違い事前の吸水も火加減も不要でお手軽です。
事前に吸水しないといけないと思っている方も多いのですが、炊飯器は吸水時間も含めての炊飯時間です。

目盛りも吸水分が考慮されているため、事前に水を含ませる必要はありません。
よく見ればお使いの炊飯器の取扱説明書にも書いてあります。
釜にいれるお米と水の分量だけに注意を払いましょう。

お米と水分量以外は普通に炊いて少し蒸らせば柔らかく仕上がります。

炊き上がったご飯からの軟飯の作り方 (炊飯器)

水を加えて保温モードで2時間ほど置いておけば軟飯にもできます。
しかし、一度炊きあがったご飯から軟飯に仕上げるのは炊飯器向きではありません。
素直に鍋を使った方法か、後述する電子レンジの方法を使うことをおすすめします。

なぜなら、電気代と時間が無駄にかかってしまうからです。
手が放せないときには便利ですが、2時間あれば精米からでも軟飯を作れてしまいます。
わざわざ炊き上がったご飯から作る時は炊飯器を選ばない方が無難です。

軟飯の作り方:電子レンジ

電子レンジは炊き上がったご飯から取り分けて軟飯にするときに活躍します。
短時間でふっくら柔らかい軟飯を作ることができます。

炊飯器で精米から炊いて電子レンジを併用する軟飯の作り方をする人が多数です。
微調整をしやすくお手軽で人気の方法になります。

炊き上がったご飯からの軟飯の作り方 (電子レンジ)

電子レンジを使うときは水分量を少なめにすることがポイントです。
これは温めるときにラップをかけて加熱するからです。
水分が飛びにくい状態なので水を入れすぎると柔らかくなりすぎてしまいます。

「お米1:水1.2」の割合で耐熱容器に混ぜ合わせます。
お米 50g なら水 60g で「お米1:水1.2」になります。
炊き上がったご飯の量に対して1.2倍した水を入れましょう。

あとはラップをして 2 〜 3 分ほど 600W で加熱しながら様子を見ます。
このとき密閉せずラップの端を少しだけあけておきます。
蒸気が抜ける道を残しておくと触る時も火傷の危険を減らせます。

レンジで「容器の中で全体がブクブクと煮えたぎって沸騰する」ぐらい加熱するのが目安です。

加熱が終わればラップをしたまま更に 2 〜 3 分置いたままで蒸らします。
余熱でご飯が充分に水分を吸い込み、柔らかくなります。
容器やお米が熱いので冷めてからほぐせば完成です。

レンジで作るときは沸騰させるので吹きこぼれやすいのが欠点です。
手間はかかりますが、まめに様子を見ながら加熱時間を調節する必要があります。

○倍粥の表記

お粥や軟飯を作る時、○倍粥と表記されたレシピを見かけることがあります。
正直わかりづらい、間違えやすいので以下の一覧を目安にしておいてください。
一覧表のご飯は「一度炊き上がったご飯」のことを指しています。

  • 10倍粥 → ご飯:水=1:4
  •  7倍粥 → ご飯:水=1:3
  •  5倍粥 → ご飯:水=1:2
  •   軟飯 → ご飯:水=1:1

軟飯は言い換えれば「2〜3倍粥」のことです。
お粥というほどドロドロしてはいませんが、普通のご飯より水気の多いご飯です。

精米から普通のご飯は「米1カップに水は1.2カップ」の水加減で炊きます。
ここを軟飯では「米1カップに水は2~3カップ」で炊くという意味になります。

精米なのか、一度炊飯したご飯なのかを注意して情報を見る必要があります。
もしこれまでに失敗したことがあるなら、精米の情報を炊飯した後のご飯に当てはめてしまった可能性があります。

コップ粥の作り方

普通に大人用として炊き上げる分量で炊飯器にお米と水をセットします。
炊飯器の真ん中に別のコップや容器に「軟飯・おかゆ用に水加減した容器」をセットします。
あとはそのまま普通に炊飯器のスイッチをONです。

容器は大人のお米用にセットした水が入らない深さであれば何でも構いません。
マグカップでも湯呑みでも耐熱ガラスでも代用できます。

これでひとつの炊飯器の中で水加減を変えた2種類のお米を炊くことができます。
後で軟飯を電子レンジに作り分ける必要がないので1回分だけ作りたいときに重宝します。

炊飯器の保温機能でおいしく作る方法

じつは炊飯器の保温機能が便利です。

普通に炊飯で炊いたお米も保温をしておくと「とろ火」のような効果があります。
出来上がりが予想より「固い」と感じたら、湯冷ましや熱湯を足して軽く混ぜます。
あとは保温のまま放置しておくだけでふかふかになってくれます。

これを応用すると普段のご飯も同じ炊飯器でおいしくすることができます。
普通のご飯でも軟飯でもおいしくする方法はわざと水分量を大目に炊きます。
そして、炊き上がってから保温状態で30分から1時間程度置くだけです。

冷凍で保存している炊飯済みのご飯にも使えます。
電子レンジの解凍はどうしても熱くなるうえ、お米の水分も飛びます。
それを避けるために湯冷ましで伸ばして保温しておくと食べやすくなります。

水分量は少しずつ足して調節するのが良いです。
明確な数字はありませんが、経験すれば誰でも調節できるようになります。

また、コップ粥にしておいて2回分を1回で炊いて、半分を冷凍保存します。
次のご飯のときに冷凍分を食べさせてあげれば、レンジ加熱の時間も短く出来ます。
当然食感も失われないのでおいしく食べさせてあげられます。

お米の在庫がないと心配な場合は、1回軟飯のみで炊飯をして冷凍保存しましょう。

ただし、あまり大量に在庫を作りすぎないほうがいいです。
時間がなくてお米が炊けないときの備蓄くらいで考えておきましょう。
毎回冷凍ご飯ばかり食べるのもおいしさが損なわれてしまいます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
もう一度かんたんにおさらいです。

軟飯を作る方法は大きく3種類。

鍋・炊飯器・電子レンジでそれぞれ水分量を調節します。
普通の炊飯はお米1:水1.2、軟飯はお米1:水2〜3程度です。
お子さんの食べ具合に合わせて水分量を微調整していけば固さを変えていけます。

柔らかすぎても固すぎても炊飯器の保温機能を使えば作ったあとも微調整できます。
失敗を恐れずにベストな分量を掴んで作ってみてくださいね。
はじめてチャレンジするときは1合程度の少量で試してみると失敗しても平気です。

ぜひ、試してみて下さい。

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