赤ちゃんの熱・鼻水・咳:風邪の原因はウイルスが 9 割

風邪の熱・鼻水・咳で寝込む子供
赤ちゃんに限らず子供は風邪をよく引きますよね。
熱や鼻水、咳などの症状が出ていると辛そうで不安になります。

あなたは風邪を引くと風邪薬を飲んで治そうとしていませんか。
でも、じつは薬を飲んでも風邪は治らないのです。
なぜなら、風邪薬は治す薬ではなく症状を和らげる薬だから。

風邪の症状が出たら治し方は 9 割がた決まっています。
しかし、世の中の多くの方は有効な風邪の治し方すら知りません。

そこで「風邪の正しい知識」をまとめました。
風邪の正しい知識があれば熱が出ても鼻水や咳があっても安心して乗り切れます。

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赤ちゃんの熱や鼻水の原因となる風邪

健康な状態で熱や鼻水は出ませんよね。
症状があるのはそこに原因があるからです。

もちろん風邪が熱と鼻水の出る原因なのですが、もう少し風邪を分類します。

風邪の原因は「ウイルス」が 9 割です。

どこぞの本のタイトルのようですが、風邪は大きくわけて 2 種類です。
ウイルスが 9 割で残り 1 割が溶連菌感染症のような「細菌」が原因です。

そして 2 種類しか存在していない原因菌なので、
ウイルスや細菌といった病原菌が存在しない限り風邪にかかることはありません。

細菌で風邪になるパターンはごく少数なので、
お子さんが風邪をひいた原因はウイルスと思ってほぼ間違いないです。

赤ちゃんが風邪をひいたときの流れ

(1) ウイルスや細菌が鼻や口から体内に入り込んで潜伏します。

(2) 体の中で病原菌が増殖していきます(潜伏期間)

(3) 異常を察した脳が体に熱を上げる命令を出します。

(4) 体が熱を作るフェーズへ移行します。(寒気がしてきます)

(5) 熱が上がりきり症状が全開します。(ここで熱と鼻水などの症状が出ます)

(6) 免疫細胞が活性化し終えると熱がさがります。

(7) 鼻水、咳が少しずつ減っていきます。

(8) 風邪が治る。

一般的に上記の流れで風邪をひいてから治るまでの流れをたどります。
いま、熱や鼻水があるなら 5 つ目の段階ですね。

熱・鼻水・咳・鼻づまりの症状が出る原因

熱でも鼻水でも風邪の症状が出ると辛そうですよね。
一刻もはやく治してあげたくなります。

ここからは症状別に治し方となぜ症状が出るのかをみていきます。

熱はなぜ出るのか?

熱が出る理由は 2 つです。
そのうちの 1 つが病原菌の増殖を食い止めるため、
もう 1 つは「免疫細胞」を活性化させるためです。

風邪をひいたときの流れの 2 つ目に体の中で病原菌が増えると書きました。
ウイルスや細菌が増殖していくと症状がどんどん悪化していきます。
それを食い止めるために体の熱を上げて防御する役割を果たします。

体温が高ければ高いほど菌の増殖を食い止めやすく、
およそ 39 度 〜 40 度になると病原菌の増殖がほぼ収まります。
このために小さい体ながらも熱が出るというわけです。

熱は 2 つめの理由である「免疫細胞」にも影響を与えます。
免疫細胞とは=自力で治す力です。
ウイルスや細菌を体外に押し出したり退治してくれる働きを持ちます。

体温が 37 度以降になると免疫細胞の活動しやすい温度となります。
そのために熱を上げてウイルスや細菌と戦っているのです。

これら 2 つの理由があるので、
脳が風邪を早く治すためにわざと体温を上げるように命令してきます。

つまり、熱が出る=風邪が早く治る

こうした図式に人間の体はなっているわけなのです。
ですので、熱が出ること自体は怖いものでも心配するものでもありません。
反対に熱を出さない方が免疫細胞の活性化が遅れてしまいます。

高熱が出ても心配無用です

赤ちゃんや子供が高熱を出すと親心として心配になりますよね。

  • 熱があがりすぎて何か後遺症が残るのでは
  • ずっとうなされていて頭や脳に異常が出てしまわないだろうか
  • このまま熱が下がらない日々が続くのだろうか

あれこれ考え出すと不安で心配にもなります。
しかし、必要性があって高熱を出しているので心配無用です。
仮に 40 度の熱が数日間続いたとしても後遺症も残りません。

熱の高さは病気の重さとは全く関係がありません。
風邪からくる熱はいくら高くても全て大丈夫だと知っておいてください。

下手に下げようとするとより一定温度まで高めてあげたほうが
体は熱を作る作業を止めて楽ができるようになります。
冬の風邪が長引きやすいのはこうした理由から来ています。

それに高温になるといっても人間の体温には上限もあります。
45 度とかになることはありませんからね。
高熱だからという理由だけで心配しないでくださいね。

鼻水が出る理由

鼻水は体の中で増殖した病原菌を体外に排出して追い出すために出ます。
なので、鼻水が出ているときは「病原菌と戦っているんだな」と思ってください。

大気中の病原菌は鼻の中に付着しますが、
その菌に対して大量の鼻水を出すことで洗い流そうとします。

そして、鼻水と同時に起こる鼻づまりは病原菌がこれ以上体に入ってこないように
をする役割を持っています。

もし風邪の病原菌ウイルスとの戦いに勝つことが出来れば、鼻水は止まります。
風邪が発症する前に防ぐことができれば鼻水だけの症状で終わります。

しかし、病原菌にやられて風邪を引いてしまうと
鼻の中では完治するまでウイルス vs 鼻水(白血球)が戦い続けるので
その間ずっと鼻水が出続けることになります。

むやみに鼻水を止めてはいけない

鼻水を出すのは風邪を予防・治すために必要な体の機能なのですが、
鼻水が出ていると眠りづらい上に母乳やミルクは飲みにくいし呼吸も辛そうです。

だからといって鼻水を止める薬などは服用しないようにしてください。
赤ちゃんに使える薬は限られていますが、子供の場合でも同じです。

最近の研究で鼻水の薬は鼻水、鼻づまりにほとんど効果がなく、
まれに重い副作用まで出ることが分かってきました。

特にポララミンやペリアクチンなどの抗ヒスタミン薬
風邪症状を悪化させる可能性があるとまで言われています。

第一世代抗ヒスタミン薬は痙攣を誘発しやすいお薬ですので、
お子さんには使用しないようにすることをおすすめします。

その上、鼻水の薬は鼻水を粘りっこくして固めてしまうので、
薬を飲むと余計に鼻水がつまって息苦しくなります。

風邪で鼻水が出る場合は、止めるのではなく出すことを考えるのが 1 番有効です。

鼻水・鼻づまりの対策におすすめの方法は吸い取ること

先程、鼻水は出すことを考えるとお伝えしました。
どんどん鼻水を出して病原菌を体外に追い出していけばその分回復も早まります。

昔からある方法ですが、鼻水を吸い取ることがもっとも効果的です。
耳鼻科に行けば吸い取ってもらえますが、ぜひご家庭でもやってください。

吸い取るときには便利な鼻水吸い取り器を使いましょう。
有名どころでは

あたりがそれぞれの分野で有名です。
わが家も上から順に揃えていきましたが、
最終的にはメルシーポットひとつで十分だという結論になりました。

欠点は価格が高くて場所を取ることと外出先では使えないことですね。
どれも持っていないと赤ちゃんの鼻水を取ることはリアルに口吸いしかできません。
病原菌をもらって確実に風邪をひく元になるのでやめておきましょう。

ですので、どれかひとつ鼻水吸い取り器を家庭に用意しておくことをおすすめします。

また、鼻水を吸い取るときは加湿されている環境がベストです。
鼻水も柔らかくなって鼻づまりも楽になります。
お風呂上がりに吸い出してあげると取りやすいですよ。

電動鼻水吸い取りき器「メルシーポット」の動画


メルシーポットがどんなものかわかりやすい動画です。
チューブ内も水を吸えば洗えるのでメンテナンスが簡単です。

咳が出る理由

咳も鼻水と同様に病原菌ウイルスを体外に出そうとする働きがあります。

侵入経路の違いで鼻水は鼻から入ってくる病原菌を追い出すのに対し、
咳は喉から入ってくる病原菌を追い出します。

咳もいくつかの種類に分かれますが、風邪のときに出る咳は
痰が絡むような湿った咳です。

病原菌を痰に絡め取って外部に排出するので、咳の中に痰がまじります。
ここで咳止めをしてしまうとせっかく外に病原菌を出そうとしたところを
無理に止めることになります。

咳が続くと非常に辛いですが咳止めに頼りすぎるのも考えものということです。
なるべく加湿や水分補給、加温で乗り切りましょう。

また、痰が絡んだ咳の原因は鼻水が喉に落ちているからです。
鼻水を吸い取れば喉に落ちなくなって咳も楽になります。
耳鼻科で吸い取ってもらうか、鼻水吸い取り器を活用しましょう。

このように、熱・鼻水・咳・鼻づまりは風邪を早く治すために
体が防御反応を出しているとおぼえておいてくださいね。

風邪(熱・鼻水・咳・鼻づまり)の対処法

風邪の対処法といっても出来ることは限られています。
一度発症してしまうと薬で治したり完治を早めたりする方法はないのです。

風邪を治す方法を言うならば、子供自身の「自己免疫機能」に頼るしかありません。
自己免疫機能とは正常な状態に体を治す、本来備わっている力のことです。
つまり子供自身の治す力が必要なわけです。

ですので、風邪に対する対処法は薬でもなくお医者さんでもなく
子供の自己免疫機能を有効に働かせる家庭環境を整えてあげることです。

なのでここから先は家庭環境を整えるためにどうすべきかをお話します。

風邪の細かな対処法は別記事でまとめてあります。
ぜひ、こちらも参考にしてみてください。

風邪の対処法に関する関連記事

赤ちゃんが自宅で風邪と戦う環境づくり

風邪と戦う環境を作っていくために必要なことは以下です。

  • 湿度を 50 〜 60 %程度に保つ
  • 室温は 22 度をキープ
  • 鼻の頭を温める
  • 鼻水吸い取り器で鼻水を吸う
  • 食欲は気にせず水分さえ取れていれば良い
  • 水分補給をこまめに行う
  • 体温調節に気を配る

加湿器でウイルス対策


風邪の病原菌ウイルスは冬場に増殖しがちです。
乾燥を好むので、部屋が乾燥しているだけで増殖していきます。

冬は特に乾燥しやすいので乾燥対策に
加湿器加湿機能付きの空気清浄機を用意しておきましょう。

加湿器の導入が難しい場合は、濡れたタオルを部屋にかけておくだけでも
何もしないよりはるかに効果的です。
湿度計がないと湿度はわかりませんので、合わせて用意しておくと便利ですね。

加湿をするだけでウイルスの増殖を抑え、
鼻水や喉にもやさしく肌にも潤いを持たせることができます。
鼻どおりが良くなる点もプラスです。

寒すぎず暑すぎない室温

寒いからといって暖房器具をガンガンにかけると体の抵抗力が弱まります。
反対に夏場で暑いからといって冷房をかけすぎるのも同様です。

赤ちゃんに最適な室温は 25 〜 26 度ですが、風邪のときは 22 度を維持しましょう。
冬に 25 度は着用している服からして温度が高すぎます。
22 度程度なら快適に過ごせる温度で、熱が出ても暑すぎません。

夏場に 22 度はエアコンの効きすぎと思うかもしれません。
しかし、布団で寝ながら熱もあると暑いくらいなのです。
なので夏場でもエアコンの温度は 22 度で構いません。

なお、熱がないときは 25 〜 26 度設定にしてあげてください。

鼻を温めて鼻水を吸いやすくしておく

風邪の間は常に鼻水との戦いになります。
鼻づまりも起こしやすいので、鼻を温めて鼻どおりを良くしてあげましょう。

鼻水を吸い出す時も柔らかくなっていて吸い取りやすいうえに
体温調節の為の鼻水を出す必要がなくなります。

血流が悪くて鼻のむくみ、鼻づまりがおきている場合に
血流改善によって解消させることができます。

鼻を温めるやり方

水で濡らしたタオルやガーゼを軽く絞り、ラップにくるみます。

電子レンジで約 40 度にあたたまるように温めます。目安は 500 W で 30 秒

鼻の頭に軽く乗せて温めます。

効果は一時的です。
しかし、寝付きにくいときなどに効果を発揮してくれます。
方法もお手軽なので風邪のお供に取り入れてあげてください。

水分補給を怠らない

風邪の症状は熱で発汗、鼻水で体の水分を外に出してしまいます。
同時に鼻や喉が乾燥しているとウイルスも増殖しやすい体内環境になります。

こまめな水分補給で脱水状態とウイルスの増殖を予防してあげましょう。
嫌がらなければマスクをしてあげると口内の乾燥も防げます。

水分を取るときは授乳期間なら母乳やミルクをメインとして
飲める月齢なら水やお茶、スポーツドリンクに経口補水液、ジュースなど基本的には水分なら何でも構いません。

栄養を取ると良いと言われますが、そこは深く気にしなくて OK です。
それよりも風邪のときは水分摂取を優先してあげてください。

糖分が多く含まれるスポーツドリンクやジュースは本来不要な飲み物ですが、
飲まないくらいならこれらのドリンクで補水する方が良いです。
食事の時間に関係なく 1 時間おきなど頻繁にあげてください。

体から水分が不足するとだるくなります。
すると食欲も落ちてますます風邪のウイルスと戦う力がでません。
39 度以上の高熱が出ているときは出来るだけ水分を取ることが大切です。

風邪の進行度に合わせて服装で体温調節

熱のときは体を温めるのか冷やすのか悩むことがあります。
基本的な考え方は赤ちゃんや子供が快適に感じる状態にしてあげることです。

熱が上がり始めるときは悪寒がして寒く感じます。
ですので、風邪の初期症状のときは温めてあげることが有効です。
布団をかけたり、服を 1 枚増やしたりして調節します。

ウイルスとの戦いが終わり熱が下がると今度は暑く感じます。
このタイミングで温めてしまうと熱がこもり暑さで苦しくなってしまいます。
なので、熱が下がりきったら薄着へチェンジです。

赤ちゃんの頃はまだ自分で上手に体温調節ができません。
あなたが様子を見ながらその場の状況で変えていってあげる必要があります。
エアコンや暖房で調節ではなく、服装で対応してあげてくださいね。

こまめに着替えることで熱で出た汗で体を冷やしすぎることも防止できます。

解熱剤・かぜ薬・抗生物質の使い方

  • 熱が出ていると解熱剤
  • 鼻水や咳が出ているとかぜ薬
  • 風邪の症状には抗生物質

こんな風に思い込んでいませんか。
親心として症状を和らげて治してあげたいために
何か薬を投与したくなる気持ちもわかります。

しかし、薬はどれも治すためのものとは限りません。
風邪の症状にいたっては対症療法といって症状を和らげるものでしかありません。
なのでむやみに服用するより自宅療養が 1 番ベストな方法なのです。

解熱剤を使うなら知っておきたいこと

熱が出ていると解熱剤を使ってあげたいと思いますよね。
しかし、体は熱を上げて免疫細胞を活性化させようとしているタイミングです。
更にウイルスをこれ以上増えないようにもしています。

そこで解熱剤で熱を下げてしまうとウイルスが活動しやすい体になるので、
反対に風邪が治るまでに時間がかかってしまうことがあります。

解熱剤は対症療法に含まれる薬なので、風邪を全く治してくれません。
ですので熱が出たら解熱剤を使うというのは風邪を早く治したいときには
逆効果にすらなってしまうわけです。

熱が出ていても元気そうなら解熱剤は使わないでください。
繰り返しますが風邪の熱はどんなに出ていても心配ありません。

解熱剤は対症療法の薬ということを理解した上で、
一時的にでも熱の辛さから体を楽にさせてあげたい時だけ使いましょう。
薬の服用で熱が下がれば、その隙に食事や水分補給をしてください。

まだ風邪の状態が良くなっておらずウイルスが残っていれば、
解熱剤を飲んだ後もしばらくすれば熱が再び上がってきます。

解熱剤を使う時の目安

特別な理由がなければ解熱剤を使うことはありませんが、もし使用するなら
熱の症状が酷く食事も喉を通らない・母乳やミルクも飲めないときが使い時です。
たとえ 39 度の熱があっても水分補給に支障がなければ不要です。

解熱剤は熱が上がりきってから使うと効果的です。
風邪をひいたときの流れで悪寒を感じるタイミングで使うのは間違いです。

寒気がなくなって熱が上がって上がりも下がりもしなくなったときに使うのが
ベストタイミングと言えます。

抗生物質は取り扱いに要注意

風邪の 9 割が病原菌のウイルス性によるものだとお伝えしましたが
残念ながら抗生物質はウイルスに効果を発揮できません。

抗生物質は「細菌」を倒す薬です。
ウイルスには効きませんので 9 割は無効だということです。

昔はよく小児科へ行くと抗生物質が処方されることがありました。
私が子供の頃に病院へ行くたび服用していた記憶もあります。

理由を調べてみると風邪をひいたあとに
細菌感染の合併症を引き起こす可能性があるためでした。
風邪を治すためではなく合併症予防のために処方されていたのです。

しかし、現在の研究で細菌感染の予防はできないことがわかっています。

もし風邪と診断されて抗生物質が処方されるときは、
医師に「ほんとうに抗生物質が必要なのか」を尋ねてみるといいです。
勉強不足の方は残念ながら上記理由を挙げられることがあります。

さらに必要ないときに抗生物質を服用すると抗生物質の効かない菌が
体に住み着いてしまうこともあります。

もしこの菌が悪影響を及ぼしたときに、抗生物質が効かなくなる恐れもあります。
このあたりはステロイドで言われていることと似ています。
つまり、適切に服用しないと怖い耐性菌が増えることになります。

将来のお子さんの体を守ってあげるためにも、抗生物質の取り扱いは
必要性を考えて慎重に服用することを強くおすすめします。

抗生物質はどういうときに飲むべきか

例外として「溶連菌(ようれんきん)」などの細菌感染による風邪が疑われるときです。
ウイルスには効きませんが、細菌に対し抗生物質は有効です。

溶連菌の症状としては喉が赤くなって膿ができる病気ですね。
化膿性の咽頭炎(いんとうえん)・扁桃炎を引き起こします。

赤ちゃんや子供の場合だとうまく痰が出せずに肺や気管支に溜まってしまい
そこで細菌感染が起こると気管支炎肺炎にかかります。

他にも細菌で怖いのが血液から感染する菌血症という病気です。
これは血液にばい菌や雑菌が入り込んでしまうことで感染します。
悪化するとその後髄膜炎を引き起こすことに繋がります。

ケガをしたときに消毒をしなければいけないのはこうした細菌から
感染症にかからないように守るためです。

風邪に限らず細菌にも数々の種類があります。
抗生物質を服用するときはこれら細菌に関する病気が疑われるときです。

抗生物質は適切に服用することが非常に大切です。
もし正当な理由で処方されることがあれば、
用法と容量を守って決められた日数内に全部飲みきって下さい。

中途半端に飲んだり飲まなかったりすると耐性菌を作り上げてしまいます。
本当に抗生物質が必要なときに効かない体にならないようにしてくださいね。

風邪で病院へ行く必要はある?

ここまでのお話でおわかりいただけたように、風邪薬はほとんど直接効果がなく
副作用のことも考えると小さな子供に飲まさない方が良いとされています。

となれば病院へ行かずに自宅で療養しているのが 1 番ということなのでしょうか。

ただ風邪を治すという目的であるならば大半はそれで問題ありません。
病院へ行く必要があるかないかと問われれば、9 割行く必要はありません。

病院へ行く目的をあげるとするならば、風邪以外の他の病気が隠れていないか
チェックしてもらうこと
をあげておきます。

ウイルス性の風邪であれば自宅療養だけで済みますが、
細菌感染の場合には抗生物質の処方が必要ですし、
他に繋がる病気のサインがあるかもしれません。

といっても 9 割は杞憂に終わるわけです。
薬をもらうにしてもいまのメインは去痰薬の処方が増えています。
去痰薬は痰や鼻水を外に出しやすくしましょう、というお薬です。

これらのことより今回の風邪は心配のない風邪かどうかを確認してもらう
程度の気持ちで診察してもらうほうが良いですね。

病院に行くならどのタイミングがベスト?

熱で風邪と戦うことがわかっていても、
やはり夜間や休日に高熱が出ると心配になります。

目安は生後 3 ヶ月を過ぎているかどうかと機嫌が良いかです。
両方クリアできているなら翌朝以降の通院でも大丈夫です。

特に普段通り授乳を受け入れてくれて、排泄や遊びができていれば心配もいりません。
病院に焦っていく必要はないと言えます。

風邪から中耳炎になることがある

ご存知かもしれませんが、赤ちゃんや子供は風邪のときに中耳炎になりやすいです。
中耳炎は痛みが伴うのでとても苦しそうにするはずです。

このときはすみやかに病院へ連れていってあげた方がいいですね。

耳を痛がったときは熱冷ましや痛み止めを使いましょう。
たとえ熱がなくても痛み止めは使ってあげて OK です。
熱冷ましは耳の後ろや下の部分を冷やしてあげれば多少楽になります。

中耳炎は鼻水が原因で引き起こされます。
鼻水吸い取り器を用意してこまめに吸ってあげればかなり改善が見込めます。

目やにが出ているとき

鼻水は中耳炎だけでなく大量の目やにを誘発します。
寝起きに花粉症のときくらいの量の目やにが見られるときは
鼻水から来ていると疑ってください。

赤ちゃんや子供は目と鼻が近くにあるので、
鼻水が逆流して目に入ることで目やにとして外に出てきます。
なので元は鼻水が原因ということ。

わが家でも大量の目やにの症状を子供が見せましたが、
朝起きたときにまぶたがひっついて開かないくらいの量でした。

同時に中耳炎にもなりかけているはずですので、
ここでも鼻水吸い取り器が症状改善に活躍できます。
まめに鼻水を吸い取るとスッキリして目やにと中耳炎の予防にもなります。

1 日中ずっと目やにが出続けるときは要注意

風邪の鼻水から来ているものと思っていたら
朝から晩までずっと目やにが出続ける症状のときがあります。

このときの目やには特徴的で、のような濃い色をしています。
これはアデノウイルスというウイルスに感染すると出る症状です。
別名プール熱とも言われていて「夏のインフルエンザ」と称されています。

触るだけでも感染するので大人もかかります。
眼科を受診することになりますが、ほぼ確実に隔離されます。
診断は「結膜炎」と言われるでしょう。

そしてアデノウイルスは飲めば治る特効薬はありません。
抗菌剤を服用しながら少しずつ治していく類の病気です。

赤ちゃんというよりプールに入る 5 歳くらいの幼稚園児がかかりやすい病気です。
お子さんが集団生活に身を置いているなら気にしてあげてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。

風邪に関する正しい知識について一通り見てきましたので、
基礎的な部分はご理解いただけたのではないでしょうか。

あらためて見ると風邪の大部分は鼻水との戦いとも言えます。
家庭でできる最良の看護は鼻水を吸い取ることといっても差し支えないくらいです。

最終的に自己免疫機能が赤ちゃんでも子供でも大人でも風邪を治します。
ですので風邪に対抗する鼻水や咳、くしゃみなど体からウイルスを追い出すことを
手伝ってあげるのがベストなのです。

となれば鼻水吸い取り器は非常に有効な家庭用品だと思っています。

電動のコンセントを使うタイプのものは少し値が張ります。
しかし、15,000 円ほどの出費で今後の風邪や鼻水生活の大部分を補えるのであれば
費用対効果は決して悪くはないのではないでしょうか。

鼻水の多い子は、同時に中耳炎や蓄膿を起こす可能性も高くなります。
それらを回避するためにも鼻水の除去は大きな意味を持ちます。

どれだけ取り除いてもあとから湧いてくる鼻水を出し続けられれば
風邪の治りも早くなることでしょう。

一刻もはやくお子さんの風邪がよくなるといいですね。
今回の記事を参考に対策を考えてあげてみてくださいね。

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