赤ちゃんが頭をぶつけた:たんこぶ以外に必ず確認して欲しい5項目

病気・ケガ

新生児の赤ちゃん 頭をぶつけたときの確認事項
赤ちゃんが頭をぶつけてしまってヒヤヒヤしたことはありますか。
新生児はまだ動きも少ないですが、生後 3 ヶ月程度の赤ちゃんが
ちょっとしたことでゴツンと頭をぶつけることもありますよね。

はじめてのことだと親のほうが心配と不安で苦しくなります。
いくら目を離さないように見ていても、
不意のことで頭をぶつけることはよくある話です。

頭をぶつけてしまったときに、最初にしたいのが大丈夫かどうかの確認です。
しかし、確認といっても判断基準がよくわからない方もいるはず。

ですので、今回は赤ちゃんが頭をぶつけたときに確認したい項目を紹介します。

この記事を読めば
頭をぶつけたときに病院へ急いでいくべきか、安心していいのかがすぐわかります

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頭をぶつけたときの 5 つの確認ポイント

赤ちゃん, 新生児
頭をぶつけてしまったら、次の 5 つを確認して大丈夫そうなら様子をみましょう。
もし、どこかに異常があればすぐ病院へ行くか連絡してくださいね。

  • 傷や出血がないか
  • 意識がしっかりしているか
  • 頻繁に嘔吐がないか
  • 痙攣(けいれん)はないか
  • 両親から見ておかしなところはないか

以上の 5 つでおかしなところがなければひとまず安心してください。
たんこぶ程度であれば様子見で大丈夫ですよ。
順番に説明していきますね。

ぶつけた箇所の傷や出血の確認

まずは傷やたんこぶがないか確認してください。
小さくこぶが出来た程度であれば大丈夫です。
出血があれば、頭は血が出やすいので止血をしてすぐさま病院へ行きましょう。

意識の確認

受け答えができれば問題ないと判断してください。
まだしゃべれない赤ちゃんなら、声に反応するとか
ママと目を合わせて目が合えば OK です。

頭を打った瞬間に大声で泣き出すようであれば、逆に安心材料です。

嘔吐の確認

外傷後嘔吐という医学用語があります。
言葉のとおり、外傷を受けると嘔吐してしまうということです。

このため、実際にはたいしたことがなくても吐くことがあります。
なので、嘔吐したからといってすぐさま危険ではありません。

1 〜 2 回程度の嘔吐ならほぼ心配はありません。
大泣きして吐いても 2 時間程度眠ってしまうことも多々あります。
もし頻繁に吐き続けるようなときは病院へ行かれることをおすすめします。

痙攣(けいれん)の確認

これは一目見ればすぐわかる反応です。
けいれんを見たことがない方は「自分にわかるかな?」と不安になりがちです。

でも、本当にけいれんを起こしている赤ちゃんや子供を見ると
呼吸も浅くなったり止まったりして、顔色も悪くなります。

ただの震えと思って体を抑えても止まらないし、けいれん中は意識がありません。
ですので、一度でもけいれんを見ればただ事ではないことが一目でわかります。
けいれんと判断したら病院へすぐ連絡してくださいね。

いつもと様子が違う場合

ママやパパが感じる「何か変」という直感は大切です。
いつも一緒にいる両親が変だと感じるときは、何かしら問題があることも多いです。

この場合は他に異常がなくてもひとまず病院で診てもらうことをおすすめします。
どこがいつもと比べておかしいのかを詳しく医師に伝えるようにしましょう。

頭の打ち方はどうだったのか

頭をぶつけるといってもただ転んだ程度であれば、軽症の可能性も高いです。
しかし、頭の打ち方によって危険なことがあります。
次のようなぶつけ方をしたときは、一見異常がなくても即病院へ行ってください。

危険な頭のぶつけ方

2 歳以下:90 ㎝ 以上
2 歳以上:150 ㎝ 以上の高さから落下した場合
  • 車の外に放り出されるような交通事故に合ったとき
  • ヘルメットをしていない状態で、乗用車やバイクに衝突した
  • 野球のボールなど衝撃の強い高速の物体が頭部を直撃したとき

ここまで酷いパターンは少ないかもしれませんが、
どれも可能性として 0 ではありません。

今回は無事だったとしてもいつ何があるかわかりませんから、
日頃から気をつけて生活してくださいね。

即病院へ行くべき危険な症状

  • 転んで頭を打った時の記憶がない場合
  • 頭を打ってから 30 分以上の記憶喪失がある
  • 頭の痛みがどんどんひどくなったとき
  • 複数回吐いた、連続して 2 回以上嘔吐した
  • 手足のしびれ、半身に力が入らない
  • 物が二重に見えてしまう
  • けいれんが起きた
  • 意識がない、眠り込んでしまう
  • ぼんやりしている、話が通じない、的外れのことを言う
  • 暴れ出してしまう
  • パンダのような眼になっている
  • 耳の後ろにあざがある

どれも危険な状態の予兆がある症状です。
赤ちゃんがうまく話できないとわからないこともあります。
明らかな症状ばかりなので、一つでも該当するときは救急車を呼びましょう。

病院で CT やレントゲンは撮るべきか

病院
軽い打撲程度であれば、頭蓋骨内に損傷が出ることは少ないです。
なので、必ずしも CT やレントゲンを撮る必要はありません。

小さい赤ちゃんに不必要に放射線を浴びさせるのは
決して良いことじゃありませんからね。

ただし、5 つの確認をした上で医師による診察で骨折があるかどうかを確認し
保護者に説明した上でどうするかの判断を迫られることはありえます。

頭を打った時に本当に危険な重篤状態になる危険性があるのは、
脳外科の先生によると 6 〜 24時間以内だということです。

なので、頭をぶつけてから 48 時間程度時間が経過して何も起こっていなければ
ひとまず危険性は低いと判断しても大丈夫です。

月齢が低いうちは医師もむやみに CT やレントゲンを勧めるようなことは
しませんので、お話をよく聞いて判断してあげてください。

病院へ行くなら小児科より小児外科や脳外科

病院の診察室
まずは小児科と思うかもしれませんが、外傷の場合は小児科は専門家ではありません。
小児外科や脳外科を先に当たってください。

もし出血がひどかったり、明らかな重篤の場合はすぐ救急車を呼んでください。
判断がつかない場合は救急車を呼ぶべきか教えてくれる電話があります。

  • 成人:「#7119」で救急相談窓口 (一部の地域 / 札幌市・東京都・大阪市・奈良県など)
  • 小児:「#8000」で小児救急相談

それぞれ相談窓口に繋がるので状況を伝えると
様子見か救急車を呼ぶべきか教えてくれます。
迷ったら相談窓口で救急車が必要か判断してもらうと良いです。

ここは頭を打った以外のときでも状況を教えてくれるので、
電話番号を登録しておくとイザというとき便利ですよ。

ただし一部地域のみなので、使えない地域の方は
救急相談センターや救急相談窓口で各地区の番号を調べておきましょう。

頭をぶつけた日のお風呂は控えておく

お風呂
たんこぶができていればそれは「内出血」になります。
たんこぶの中身は血液とリンパ液です。
頭が膨らんでいるのは内部の毛細血管が切れてしまっている証拠です。

ここでお風呂などの温める行動をしてしまうと血管を膨張させることになります。
症状が悪化するだけなので、入浴前であればお風呂は控えておいてください。
といっても医学的根拠はまだ定まっておらず、どちらともいえない状態です。

お風呂へ入ってもよい、ダメという研究結果がないのです。

論理的に考えると温めて治るものではないので、避けておいたほうが確実です。
実際にわが子が頭をぶつけたときに救急センターへ電話したときも
病院の方から入浴を避けるように言われたことがあります。

たんこぶは冷やすのが効果的

反対に冷やしてあげれば血管を収縮させることができるので、
たんこぶが大きくなるのを防ぐことができます。

もしたんこぶになっていなくても、患部を冷やすのは有効な手段なので
ぶつけたところは早めに冷やしてあげてください。
さらに冷やすと感覚を麻痺させることもできるので、痛みも緩和できます。

このとき、氷をビニール袋に入れてタオルでくるみ
たんこぶ全体に当るようにぐるぐる回しながら冷やすと効果的です。

時間が経ってから注意すべきこと

まず 24 時間以内は運動を控えてください。
できればご自宅で安静にして過ごすのが 1 番ですね。

絶対に避けてほしいのが、再度頭をぶつけること。

症状が残っているときに再度頭をぶつけてしまうと
「セカンド・インパクトシンドローム」(脳震盪後遺症候群)を
引き起こすことがあります。

これは非常に危険な状態で最悪の場合は死に至ることもあります。
頭をぶつけたあとは絶対に再発しないよういつも以上に注意してあげてください。

数ヶ月後に病気が出ることもある

小さいお子さん、とくに乳幼児期の頃は非常にレアなケースですが
ある程度時間が過ぎてから「頭蓋内出血」という
頭の中の出血を起こすことがあります。

慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)という病名で
1 〜 3 ヶ月してから以下の症状が現れることがあります。

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 片麻痺
  • けいれん
  • しびれ
  • 言葉がうまく話せない
  • 意欲の低下
  • 認知症症状
  • 歩行障害

怖がらせるつもりはありませんが、万が一のこともあります。
病院へ行くべき危険な症状が現れていないかだけは
気をつけて経過観察してあげてくださいね。

まとめ

赤ちゃん
いかがだったでしょうか。

頭をぶつけたからといって即危険というわけではありません。
状況に合わせて的確に判断できるとベストですね。

「昨日までそんなことしなかったのに」

と赤ちゃんはいきなり何か新しいことを始めるものです。
ソファーや椅子の上に寝かせたり座らせたりすると落ちて頭を打つこともあります。
高い場所に居るときは必ず目を離さないよう注意してあげてくださいね。

また、ベビーベッドやベビーカーはベルトや柵をきちんとしていないと
落下する危険性がアップしますので、安全な使い方に注意を。

他にも歩き始めた頃というのは不安定でよく転びます。
少し大きくなっても大人に比べると頭の比重が大きいので
頭から落ちる、転ぶということが多いです。

室内にジョイントマットを敷いたり、家具の角を安全ガードで保護したりして
赤ちゃんの安全も確保してあげてくださいね。

事故は起こる前に防ぐほうが結果的に楽になりますからね。
これからは気をつけて赤ちゃんを見てあげてください。

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