【果汁はあげるべき?】離乳食前の赤ちゃんに果汁を与えなくても良い3つの理由

お世話・ケア

果汁,離乳食,赤ちゃん
赤ちゃんに果汁を与えたほうがいいか悩んでいませんか。

  • 母に風呂上りに果汁を与えたほうがいいとアドバイスをもらった
  • おじいちゃんおばあちゃんが果汁を飲ませようとするけど大丈夫?
  • 健康診断で果汁を与えていることを聞かれた

果汁を与えたほうがいいのか止めておいたほうがいいのか
ハッキリしてくれないと悩みますよね。

結論から言えば生後6ヶ月未満の赤ちゃんには
果汁を与える必要はありません。

では、なぜ与える必要はないのか。
それは
必要な栄養を果汁から取る必要がないから

以前は果汁をあげることが推奨されていた時代もありましたが、
いまは研究が進んで果汁を与える必要はなくなっています。

ということで
離乳食前の赤ちゃんに果汁を与えなくても良い理由」をお話します。

この記事を読めば
なぜ離乳の準備を進める段階で果汁を与えなくてもいいのか根拠がわかり、
周りから果汁をあげるように言われてもキッパリ断れるようになります

スポンサーリンク




離乳の準備に果汁を与える必要はない3つの理由

3~4カ月健診に行くと、
「果汁は与えていますか?」という質問をされるので、
「果汁を与えなければいけない」と思っているママはいませんか。

生後3~4ヶ月程度の赤ちゃんに果汁を与える必要なんてありません。

「そうなの?どうして?」

それは母乳やミルクに必要な栄養素が含まれているからです。
もっと大きくなってからで良いというにはちゃんとした理由があります。

ビタミンCを補うのは母乳やミルクで足りるようになった

日本でミルクが販売されるようになったのは、戦後からです。

昔のミルクは牛乳に近く、鉄分やビタミンCがあまり含まれていませんでした。
鉄分は一緒にビタミンCを摂ると鉄分の吸収がよくなります。

そこで、赤ちゃんの鉄分やビタミン不足を防ぐために、
果汁を与えてビタミンCを補って、鉄分吸収を助ける働きをさせる必要があったのです。

実際にビタミン欠乏症が懸念されていた時代です。
ミルクでいうとフォローアップミルク代わりみたいな役割ですね。

しかし、成分の研究も進み母乳には十分にビタミンCが含まれていることが判明しました。
そして現在では、ミルクにもビタミンCが強化されているので、
どちらの場合にも果汁を与える必要はないのです。

母子健康手帳からも果汁を与える文章が削除された

以前の母子健康手帳には離乳食の進め方としてこんな説明がありました。

ドロドロした食物を与え始めるのは5ヶ月になったころが適当です。
その前に薄めた果汁やスープをあげてお乳以外の味に慣れさせます。

このように書かれていたことから、生後3ヶ月頃から果汁を与えて
母乳以外の味を覚えさせる必要があると思い込んでいる方もいるようです。

でも母乳はママの食べたものによって味も変化することが研究でわかっています。
ですので、赤ちゃんは母乳を飲むことでいろいろな味を覚えていると言えるのです。

これを受けて平成18年(2006年)4月以降に発行された母子健康手帳からは、

「薄めた果汁やスープをあげて、お乳以外の味に慣れさせます」

という文章が削除されました。

二人目以降お子さんだと一人目の時にもらった母子手帳と
いまの情報が違っていたりしますので注意ですよ。

果汁を飲むと母乳を飲まなくなる可能性がある

果汁を与えると母乳を飲んでいる赤ちゃんは母乳を飲まなくなったり、
下痢の原因になるなどマイナスに働くことがあります。

アメリカ小児科学会では
果汁は生後6ヶ月未満の子に飲ませるべきではない
という勧告すら出しています。

WHOでも
「生後6ヶ月までの赤ちゃんには、母乳・ミルク以外のものは与える必要なし。
早くから果汁などを与えると、未熟な腸に影響してアレルギーの原因になったりすることもある」という指針が発表されています。

赤ちゃんに母乳のよさをしっかり受けてもらうためにも、
6ヶ月までは母乳以外の「水も、お茶も、果汁も、乳児用飲料水ですらも
実は必要ないんです。

それぐらい母乳は万能で赤ちゃんにとって最高の飲み物です。
ゆえに母乳神話が生まれているということもあります。

果汁で少しでもスプーンに慣れさせる必要もない

ママの中には、「果汁を飲ませるのはスプーンに慣らすため」
と考えている人もいますよね。

ここで知っておいて欲しいことは
母乳で育った赤ちゃんは舌や口の動きが滑らかです。

意外にも上手にスプーンで飲むことができるので、
スプーンの練習は必要ありませんよ。
母乳をしっかりあげていればほぼ最初から普通に飲めます。

ですので、スプーンに慣れさせるためだけの理由で
わざわざ果汁をあげることはしなくていいですよ。

まとめ

いかがだったでしょうか。
6ヶ月未満の赤ちゃんに果汁を与える必要がないことは
これでわかってもらえたかと思います。

最後に今回のお話のおさらいです。

  • 赤ちゃんに果汁を与えなくても良い
  • ビタミンCは母乳や粉ミルクで補える
  • 母子健康手帳から与える記載が削除されている
  • WHOでも生後6ヶ月未満の子には不要と謳っている
  • 母乳を飲まなくなる可能性がある

そして「スプーンに慣れさせる必要もない」でしたね。

赤ちゃんは甘いものを経験していないので果汁のような
糖分には非常に食いつきが良いことが多いです。

一度あげてしまうともっと欲しがるのが赤ちゃん。
一番の栄養素となる母乳やミルクを飲まなくなっては大変です。

こうしたデメリットを考えてもわざわざ
胃や腸に負担をかけてまで与えるべきものじゃないということですね。
それに歯が生えていると虫歯の可能性も出てきますからね。

昔のやり方を現代に持ち込むとこうした相違が出てきます。
これからも新しい情報や発表があって今のやり方が否定される日も
来るかもしれません。

今正しくてもこれからも正しいとは限らないということです。
だからといって昔の方法で育てられてきた私達が
大人になれなかったわけでもありません。

なので、過剰に心配しすぎる必要もないとは思いますよ。

それでも少しでも良い方向へいけるようできる限り最新の情報を調べて
赤ちゃんのお世話をしてあげてくださいね。

スポンサーリンク




お世話・ケア