【腹痛・嘔吐】急な下痢の8割は胃腸炎、最適な食事と水で治す方法

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お子さんが下痢になって対処法を探していませんか。

  • 急に下痢になってしまって治す方法を知りたい
  • 下痢の期間は何も食べさせない方がいいんですか?
  • 消化の良い食べ物をあげたいけど、何が良いの?

子供が下痢になると O157 やノロウイルスの恐ろしさもあって心配になります。
早く治してあげたいけどイマイチ効果的な方法がよくわからないですよね。

ということで
子供が下痢のときに食べたり飲ませたりする最適なもの」を紹介します。

医学的治療法に基づいた立派な回復方法です。
お医者さんに診てもらっても同じような回答をされるので、
この記事を読めば 80 %の下痢は治ったようなものです。

下痢の状態を理解して、最適な看病をしてあげましょう。

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下痢の状態とは

いわゆる胃腸炎と診断されることを指します。
病院によってはお腹の風邪と言われることもあります。

お腹の風邪=胃腸炎です。
胃や腸の消化管に何か炎症を起こすものが入って
動きが悪くなると下痢になります。

他にも吐いたり、お腹が痛くなったりしている状態のときもあります。

下痢の 80 %はウイルス性によるもの

下痢や嘔吐があるときの病名って派手なものが多くて心配になります。
でも、言い方を変えているだけで中身は全て共通です。

病名のようにいえば下痢嘔吐症とも言えますし、
原因をそれっぽく伝えれば「ウイルス感染症」や「細菌感染症」です。

原因がもっとはっきりわかっていれば
「ロタウイルス感染症」や「ジフテリア感染症」「赤痢アメーバ症」のように
原因菌微生物名で診断されます。

更に強力なウイルスになると病原性大腸菌の「O157」などの菌でも
大枠で捉えれば「胃腸炎」です。

0157 は悪化することが多く、抗生剤を打ったり入院したりすることがありますね。
ただ、ほとんどの急に起こる下痢は 80 %がウイルス性によるものです。

お家で飲ませたり食べさせたりすると良いもの

下痢のときにの飲み物や食事をどうすれば良いかは
しっかりとした研究結果が出ています。

ちまたで言われているような何も食べない方が良いという情報は
間違いですから、信じ込まないようにしてくださいね。

経口補水液

飲み物は ORS (Oral Rehydration Solution) という経口補水液がベストです。
下痢や発熱時の脱水時の水分補給に適しています。
ドラマの仁でもコロリの病原菌が流行ったときに出てきたので知っている方もいるかもしれませんね。

成分は以下のものがバランス良く含まれています。

  • ナトリウム
  • カリウム
  • クロール
  • リン
  • マグネシウム

  • 重炭酸
  • クエン酸

一般に販売されているスポーツドリンクは糖分が多い割に
水分補給に大事な塩分が少ないのでダメです。

経口補水液は WHO やアメリカの小児科学会でも下痢の治療に良いとされています。
そして経口補水液は万能なんです。

病原ウイルスや微生物の種類、年齢にも関わらず、
重症か軽症かも問わず脱水を改善させるための治療法とされています。
それこそ中程度の脱水でも点滴による投薬と差がないほどです。

日本の薬局で手に入る経口補水液は 3 種類ある

  • ソリタ顆粒(かりゅう)
  • OS-1
  • アクアライト ORS

この 3 つが薬局で手にはいります。
ソリタ顆粒は処方箋が必要ですが、残り 2 つの経口補水液は薬局で買えます。
下痢になったときの水分補給と治療を両方同時に行える万能薬ですよ。

市販の水に比べれば高いのですが、市販薬と思えば買えないものではありません。

その他にもネット上に経口補水液として販売されているものはありますが、
どれも OS-1 を元に後追いした類似品です。

飲みやすさをウリにしていますが吸収性が落ちているといった特徴があります。
薬として考えるならば上記 3 つのうちで服用するのが良いですね。

食べ物は普通の食事で良い

下痢のときに何を食べさせるかですが、実は普通の食事で OK です。
日本では下痢のときには何も食べさせず水分補給をしっかりしていれば良いと
言われ続けてきていました。

しかし、現在の医学では普通の食事をさせたほうがよいことが判明しています。
なぜなら、下痢の急性期でも食べたものが相当吸収されているからです。

これは消化管の中に消化酵素というものがあるのですが、
ここがしっかり保たれていることが判明しています。

炭水化物なら 90 %、タンパク質なら 70 %、脂肪なら 60 %が吸収されます。

嘔吐や下痢のときに食べちゃいけないのでは?

昔はたしかにそう言われ続けてきました。
しかしこれも大規模な臨床実験が行われた記録があります。

その実験は、下痢や嘔吐の症状を持つ患者が食事を開始するタイミングを
早期に開始した人と絶食した人に分けて行われました。

すると、嘔吐や水様便の頻度・程度に差がないどころか
早期に食事を再開したほうが回復期の体重増加が良い結果が出たのです。

なぜ、そうした結果になるのか。
それはたとえ短期間でも食べない時期が続くと
小腸にある微絨毛(びじゅうもう)が収縮してしまうからです。

微絨毛というのは小腸の内側にあるヒダのようなもので、
各種栄養や水分を吸収する働きを持っています。

ここが萎縮してしまうと吸収能力が下がるので下痢が
なかなか治らないということになるのです。

なので、食べ物を普通に食べることで微絨毛の収縮を防ぎ
下痢の回復も早めることが結果的に良いとされているのです。

急性胃腸炎に良い治療の 9 つの柱

急性胃腸炎に良い治療の 9 つの柱という教えがあります。
知っておくと役立つ医学知識なので紹介しておきますね。

  1. 脱水の水分補給には経口補水液 (ORS) を使いましょう
  2. ORS は低張液(Na 60 mEq/l,ブドウ糖 74〜111 mEq/l)のものを使う (日本の 3 種類はどれも当てはまる)
  3. 下痢や嘔吐したら 3 〜 4 時間以内に経口補水液を飲ませ始める。嘔吐が酷いときはスプーン 1 杯ずつからで OK
  4. 食事の再開は早めに、固形食を含む通常の食事で
  5. 下痢の治療乳ではなく、普通のミルクをあげてください
  6. ミルクを薄める必要はありません
  7. 母乳の場合は欲しがるだけあげてください
  8. のどが渇いた時にあげるのは経口補水液が効果的
  9. ほとんどの場合、投薬は必要ありません

吐き気が強いときは吐き止めを使う時がありますが、
お腹の動きを止めるような薬は使いません。

またウイルス性の胃腸炎に抗生剤は効きませんから
薬が出なくても心配しないでくださいね。

特別な食事を与える必要はありませんが、
乳幼児の場合は消化に良いものを食べさせてあげると良いですよ。

消化のよい食べ物

穀類食パンのトースト、かゆ、うどん
魚類脂肪のすくない魚 (たい、かれい、ひらめ、あじ、とびうお、すずき)
肉類脂肪のすくない肉 (ヒレ肉、とり肉、仔牛肉)
豆類とうふ (みそ汁) 、高野豆腐、きな粉
卵類卵、うずら卵
油脂類良質なバター、植物油
野菜類柔らかく煮た野菜 (にんじん、かぶ、大根、ほうれん草、カリフラワー、キャベツ)
果物バナナ、りんご (すりおろし) 、白桃、缶詰の果物
飲み物牛乳、むぎ茶、薄い紅茶、イオン飲料
菓子類カスタードプリン、ぼうろ、アイスクリーム、ウエハース、カステラ

まとめ

いかがだったでしょうか。
下痢や嘔吐のときは基本的に「胃腸炎」の一種であることがほとんどです。
その中でもウイルス性の胃腸炎と診断される確率は 80 %です。

一部の危険なウイルスに感染する可能性ももちろんありますが、
そこまで強力なものは症状の出方も並の下痢や嘔吐とは異なります。

もし一般的に見られるような症状であれば、
よくある程度の胃腸炎ですから安心してくださいね。

今回お伝えしたように消化の良いものをしっかり食べて、
水分補給を怠らないように過ごしていれば、自然に治っていきます。

もちろん病院で診てもらうのであればそれに越したことはありませんが、
休診中や夜間のときの対処に困ることもあるはずです。

そんなときは今回の内容を思い返して、
今後の下痢対策にも役立ててくださいね。

大人でも同じですから、お子さん以外にも役立つことだらけですよ。
念のために経口補水液を家に用意しておくと
咄嗟のときでも常備薬として活躍してくれます。

お手元になければ 1 本くらいは買っておいても良いかもしれませんね。
ぜひ、参考にしてみてください。

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